Wi-Fiアライアンス会長
Carlos Cordeiro氏との対談
In Between the Techへようこそ!本日は、マウザー・エレクトロニクスより、「WiFi 7」について考察をまとめ、皆さまにお届けしたいと思います。番組には、インテル コーポレーション、インテルフェロー兼クライアント・コンピューティング事業本部、ワイヤレスCTO であり、またWiFiアライアンスの理事長でもあるカルロス・コルデイロさんをお招きしています。この技術について、またこの分野におけるエンジニアの活躍についていろいろお話を伺っていきたいと思います。Wi-Fi 7についての見解にぜひご注目ください。
質問:
カルロスさん、本日はお越しいただきありがとうございます。まず、 WiFi アライアンスに参加された経緯について教えてください。
カルロス・コルデイロ:
WiFiアライアンスは、現在、WiFiとは何かについて定義を行う、主導的な業界団体です。約800社のメンバー企業で構成されており、WiFi技術の要件や、20年にわたりユーザーに慣れ親しまれてきたこの技術の定義を行っています。私がWiFi アライアンスに参画したのは、今から10年ほど前になります。
当初は、今日WiFi 5として知られる「11ac」の規格に取り組み、その後、WiFi 6に取り組みました。また、これらの規格以上に、ワイヤレス・ギガビット・テクノロジー、通称WiGig(ワイギグ)として知られる、ミリ波、特に60GHz帯域を利用する規格の定義にも深く関わりました。過去10年間、これまでさまざまな役割でアライアンスに携わってきましたが、雇用主であるインテルコーポレーションからWiFiアライアンスの理事を任命され、現在、約1年半になります。WiFiアライアンスの理事長に就任してから、来年で早くも2年を迎えます。これはインテル社員としての参画とは異なる特別な任務になります。
しかし、素晴らしいアライアンスに参加できたことをうれしく思っております。私たちはWiFiに関する最高のテクノロジーを市場に提供できるよう、メンバー企業すべてと協力しています。目に見えるテクノロジーだけでなく、最高の認証やテスト、相互運用性を確保するために、水面下でも多くのことが行われています。今日、ユーザーが求めていることを定義するために、業界は一丸となってこれに取り組んでいます。WiFiはただ接続するだけで、とても手軽に利用できます。でもユーザーにWiFiをシームレスで簡単かつ安全に利用してもらうために、その裏側では非常に多くの作業が行われているのです。
質問:
これまでWiFi 7に深く携わってこられたわけですが、このテクノロジーに最も期待している点は何ですか? また、WiFi6とWiFi7で最も違う点は何だと思いますか?
カルロス・コルデイロ:
WiFi 7は、まさにWiFi技術における大きな進化であると言えます。伝送速度とフィードが向上するだけでなく、旧規格と比較して、実際にさまざまな側面や次元において改善されています。私がWiFi 7に非常に期待しているのは、超高速通信を実現し、ますます需要が高まる大規模な数のユーザーアプリケーションに対応できるという点です。例えば、ゲーム・アプリケーションについて考えてみると、私の子供たちもいつもゲームをしているのですが、多くのゲームでは1桁ミリ秒の低レイテンシが実現できるかが非常に重要になります。このオンライン会議でも同じです。ポッドキャストでは、音声パケットに適切な優先順位を与えて、パケットをクラウドサーバーに送信し、順番に処理されるようにします。また、VR(仮想現実)を行ってるときもそうです。
今日では、非常に多くの人々がVRやARのゲームやコンテンツを利用しているため、トラフィックに優先順位をつけ、適切なタイミングで伝送されるようにする必要があります。ですから、WiFi 7のこのような機能のすべてに私はとても期待しています。中でもマルチリンク・オペレーションという機能があります。マルチリンクオペレーションとは、基本的にWiFiが複数のリンクを同時に管理する機能のことです。ただ、リンクとは何なのか、おそらく多くの人はご存知ないかもしれないので、少し説明したいと思います。
まず、レガシーWiFiテクノロジー、つまりWiFi 6以前の世代の規格では、アクセスポイントに接続すると、常に特定の帯域とチャンネルに接続されます。ノートブックやアクセスポイントへの接続方法に注意してみると、自宅や携帯電話でアクセスポイントに接続するときは、いつもそのWiFiネットワークを探して接続しようとし、実際にそのアクセスポイントに接続されます。接続は、アクセスポイントが動作する特定の周波数チャンネルや特定の帯域に関連付けられています。そして、接続を移動したいときはいつでも、つまりクライアントがあるチャンネルから別のチャンネルに移動したいときや、アクセスポイントがクライアントをあるチャンネルから別のチャンネルに移動させたいとき、クライアントは再設定を一から行う必要があるのです。ですから基本的に、以前の接続から取得したすべての状態情報が失われ、新しい接続をし直すことになります。アクセスポイント側から全てを新たに確立する必要があるのです。2.4GHz帯のネットワークと5GHz帯のネットワークがあるように見えても、アクセスポイントには2つの異なるネットワークなのです。
アクセスポイントから見ても、クライアント側から見ても、これらは異なるネットワークです。これがリンクの大まかな定義になります。これらのチャンネルでは2.5GHzと5GHzが接続されており、これがリンクです。リンクはより一般的なものです。同じ帯域の2つのチャンネルであることもあります。ですから、5 GHz帯には2つのチャンネルがあります。また、最近米国をはじめ世界中で免許不要で利用できる帯域として割り当てられた6GHz帯もそうです。ここで、WiFi 7のマルチリンクオペレーションに話を戻すと、要するに、これによりアクセスポイントが複数のリンクをシームレスに管理できるようになります。そのため、以前は1つのチャンネルで1つのクライアントとしか通信できませんでしたが、WiFi 7では、異なるクライアントと、あるいは同じクライアントと複数のリンクで同時に通信できるようになり、また、時分割によりクライアントは1つのチャンネルから別のチャンネルにすばやく移動できるようになります。途切れることなくシームレスに移動ができ、WiFi 6のように接続をやり直す必要もありません。
クライアントと通信する他のテクノロジーは、クライアントを1つのリンクから別のリンクへ、2.5 GHzから 5 GHzへ、5 GHzから6 GHzへ、迅速かつシームレスに移動します。そうすることで、柔軟性が増し、ゲームに必要なあの1桁ミリ秒のレイテンシに到達できるようになります。なぜなら送信する機会が本質的に増えるからです。もはや1つのリンクと1つのチャンネルに縛られるのではなく、最初に利用可能になったチャンネルから使用できるという柔軟性が生まれます。そのため、チャンネルへのアクセスが減少します。つまり、ゲームパケットや、音声パケット、動画パケットとなどのパケットがより素早く送受信できるようになります。複数のリンクを同時に使用できるようになるので、複数のリンクを使用すれば容量を増やすこともできます。また、堅牢性の向上にも役立ちます。アプリケーションにその必要があるのであれば、同じパケットを複数のリンクにまたがって送ることができるので、ネットワークの信頼性を高めることができます。このようにWiFi 7によって非常に多くの柔軟性がもたらされることになると思います。現行規格であるWiFi 6の周辺では多くのことが起こっていますが、WiFi 7はそこからの大きな足掛かりとなり、WiFiを大幅に強化し、開発者やユーザーにより豊かな体験を提供することになるはずです。
質問:
いくつかの業界がお話に出ましたが、WiFi 7を積極的に導入すると思われる業界はありますか?
カルロス・コルデイロ:
素晴らしい質問ですね。 WiFiの各世代を振り返ってみると、当然のことながら業界によって採用のされ方は異なっています。例えば小売業は、WiFiをいち早く採用する市場のひとつです。新世代のWiFiが登場すると、すぐに最高・最新世代のWiFiをサポートする小売店のアクセス・ポイントを見かけるようになりますね。WiFi 7でもそれが起こると予想しています。例えば、小売店のハイエンド・アクセス・ポイントは、ゲーマー向けで、ほとんどはホームユーザー向けなのですが、プロシューマーと呼ばれている、常に最新で最高のテクノロジーを求めるプロフェッショナルなコンシューマー向けに提供されています。
しかし同時に、これらの市場での販売数量はそれほど大きくはありません。WiFiに関して言えば、実際にかなりの数量になるのは2つの市場セグメントだと思います。ひとつはエンタープライズで、これが主要なセグメントになります。オフィスを見渡せば、いたるところでWiFiが利用されています。オフィスや空港、空港ラウンジ、コーヒーショップに行けば、必ずWiFiがあります。WiFi 7では、エンタープライズが大きな推進力になると思います。というのもエンタープライズや企業には更新サイクルがあるからです。実際、WiFi 7端末が発売される時期とも重なっています。ですから、エンタープライズ市場ではWiFi技術の大量導入が期待できます。
WiFiのもう1つのセグメントは家庭市場です。今や家ではあらゆることにWiFiを使用しています。5 年前、家に WiFi デバイスが何台あったのか、そしてわずか 5 年後の今、WiFi接続している機器が何台増えたのかを想像してみてください。家にWiFi接続を提供するのはサービスプロバイダーですが、アメリカ国内だけでなく、世界中の膨大な家庭の数を考えると、これが、WiFiにとって極めて大きな市場であることは間違いありません。エンタープライズ市場では、新規格の製品を最初に投入しない傾向にありますよね。というのも、大規模な検証やテストを行い、顧客や最終顧客である企業、さらにはそのIT部門に対して、その規格がスムーズに機能することを確認する必要があるからです。
小売業のあと、企業が大規模に導入する傾向があり、その後、通信事業者が続くでしょう。というのもエンドユーザーが確実に端末を使えるよう広範なテストを行う必要があるためです。私の母は現在ブラジルにいるのですが、アクセスポイントを購入して全てが機能しているので満足してます。母は何もしなくてよく、ただ置き換えるだけです。プラグに差し込むだけで、機能するのです。つまりそれがケーブル事業者がユーザーに提供するものですね。
ですから検証するまでに当然のことながら時間がかかります。それは安全性の問題があり、干渉の問題があるからですが、多数のアクセスポイントがあるためです。アクセスポイントを交換しても、交換に非常に時間がかかる古い温度調節装置や古いWiFi機器がまだ残っている場合があるため、レガシー機器を確実に使用できることが重要なわけです。新しいアクセスポイントを家庭に導入する場合は、最新かつ最高のテクノロジーに置き換えても、それらの端末が引き続き接続できなければいけません。端末を交換するたびに、通信事業者が消費者から電話で「端末が機能しなくなったので、見にきてください」などと言われるのは望ましくありませんよね。ですから、まとめますと、WiFi導入を積極的に行う業界は、小売業、エンタープライズ、そして大規模市場の通信事業者、ほぼこの順序になると思います。
質問:
WiFi 7 のリリース日が何度か延期され、現在は2024年前半になると言われています。これにより、その導入も遅れるのでしょうか?
カルロス・コルデイロ:
私はそう思いません。一部のWiFi 7機器のメーカーがすでに発表しているものもありますし、認証済み機器に関しては、すでにいくつか市場に出回っているものもあります。WiFiアライアンスについての最初のお話に戻りますが、WiFiアライアンスでは、すべてのメンバーが集まって要件を定義し、 WiFi5、6、7が何であるかを定義しています。ですから、先ほどおっしゃった時期までにはWiFi 7の認証基準の完了が期待できます。それがずれることはないと考えています。WiFi 7の導入を予定する多くの企業は、すでにこの時間枠を想定して取り組んでいると思いますので、私たちも予定通りに進めています。WiFi 7のテクノロジーが検証され、市場に投入され、ユーザーに提供されるまでのプロセスを確認するために、お話したさまざまな業界全体ですでに多くの作業が行われています。いずれにせよ、消費者が最初に導入し、次に企業になるでしょう。来年、このテクノロジーが自分のラップトップや携帯電話、アクセスポイント、そして企業でも利用できるよう、作業はすでに進められています。当然ですが、リリースもこれに沿って行われます。
質問:
小売業と企業についてお話してきましたが、WiFi 7はどのような新しいアプリケーションやユースケースをもたらしますか?
カルロス・コルデイロ:
アプリケーションに加えて、私が重要だと思うことをいくつか挙げたいと思います。今日ではオンライン会議が頻繁に行われています。より広いチャンネルでMLO機能を備えたWiFiでは、高次変調を使用してチャンネルは実際に160 MHzから320 MHzへと倍増します。それ自体が、ゲームであれオンライン会議であれ、これまで話してきたユースケースの多くを助けることになります。今私たちはこうしてオンライン会議を行っているので想像しやすいと思いますが、私が1つのリンクでアクセスポイントに話しているとして、それが2.4 GHzまたは5 GHzだとしましょう。そして、突然私の子供が寝室でゲームをし始めたとします。そうすると彼が送信しているトラフィックが何らかの形で混雑を引き起こすと、私のオンライン動画パケットは送信できなくなります。
息子の方では、アクセスポイントとクライアントがうまく連携しているのと同時に、クライアントが賢いので、待つことができます。そして私の方は別のリンクへマイクロ秒単位でダイナミックに移動し、オンライン動画パケットを別のリンクに送信できるようになります。WiFi 7について非常に素晴らしいと私が思うのはこの機能で、アクセスポイントとクライアントの間のパケットの送信方法について柔軟性が増し、今お話したようなユースケースでより適切に機能するようになります。これにより、いわゆる「決定論的操作」が可能になるのです。これが、WiFi 7が今日多くの場合、最速のリンクである5Gbpsを必要としないので、非常に大きな助けになると信じている重要な点です。多くのアプリケーションは、決定論的で信頼性の高いリンクを必要としています。私はあまりパケットを送信しませんが、何かを送信するときはいつでも、ネットワークを自分が確実に利用できるようにしておきたいです。
つまり決定論的な連携がここで本当に重要になります。一定のレイテンシを提供できるということです。例えば10ミリ秒や20ミリ秒以内にデータを送信する必要がある場合、NERCは一定の信頼性を保証する必要があります。NERCが99.99%であろうと、パケットがあればいつでもその時間内にそのパケットを送信できることが保証されています。これがWiFi 7について私が本当に素晴らしいと思う点であり、産業用IoTやその他の市場を広げるものだと思います。医療について考えてみてください。病院でゲストネットワークが利用できるということを話しているのではありません。例えば、ベッドサイドのモニタリング機器ですが、今日では一定の信頼性を保証しながら、ワイヤレスで接続することが可能になるのです。
パケットは5回線でも4回線でも、あるいはアプリケーションのニーズに応じて何回線でも使って送信することができます。パケットを短い時間内に、一定の信頼性を確保しつつ、送信できるのです。WiFi 7でこれを可能にするのがマルチリンクオペレーションですが、つまり1つのチャンネルだけをチェックするのではなく、複数のチャンネル、複数のリンク、そして最初に利用可能なものをチェックすることができます。ですから、あるチャンネルが混雑していたり、あるチャンネルで何かが発生していたり、他の人が利用していれば、別のチャンネルを使ってパケットを送信できます。これにより、複数のリンクにわたる統計的多重化が可能になり、パケットを一定のレイテンシで、一定の可用性で送信できるようになります。ビデオ会議やゲーム、従来のオフィス環境に加えて、音声通話やWiFi通話など、多くの用途があり、すでにその多くが利用されていますが、さらに新しい用途が生まれてくるでしょう。また、現在でもWiFiは多くの用途を提供していますが、WiFi 7では、以前では実現できなかったレベルの決定論的信頼性を提供できるのです。
質問:
WiFi 7のリリースが待ち遠しいですが、WiFi7の次には何が登場するのでしょうか? 将来のリリースに向けてどのような改良が行われるのでしょうか?
カルロス・コルデイロ:
このテクノロジーに間近で携わる者として、もちろん次世代WiFiについては既に考え始めています。今後どのように改善できるか、どのような領域を強化できるのかについて検討しています。数年前、私たちはインテルの社内でワイヤレス2030という取り組みを開始しました。開始したのは、3年ほど前になりますが、2030年までにワイヤレスがどのように変化するかを検討するというものです。つまり、新しいトレンドは何か、新しい体験とは何か、ユーザーはどのようなテクノロジーを期待しているのか、また、そのテクノロジーにおいてワイヤレスはどのような役割を果たすのかといったことです。ですから、ワイヤレスの観点から、さまざまな体験のニーズを探るために、改善点を抽出しているところです。数年前、社内でもこの作業を行っており、社外のパートナーとも議論を重ねて仮定を検証したり、ユースケースやトレンドを検証しました。
このプロセスは、もちろんさまざまなテクノロジーを視野に入れています。WiFiユーザーはデータ用にWiFiを使用するだけでなく、音声用にBluetoothを使用したり、屋外にいる場合にはワイヤレス WANを使用します。機器がイーサネット経由で接続されている場合はイーサネットも含めますから、その範囲は実に広範に及びます。そのような作業を行っていても、あくまでもWiFiの観点で、より優れた方法とは何であるのかを考えています。ですから将来に目を向ければ、WiFi 7の次には、WiFi 8が来ることが容易に想像できると思います。
このような経験や、早い段階から認識していたトレンドを実現するために、取り組むべき本当に重要な領域があると思います。まず第一に、WiFi 7が、最後の質問でお話しした決定論的操作に向けた最初のステップであるということです。この分野ではできることはまだまだたくさんあります。非常に多くの用途やアプリケーションがあるわけですが、WiFi 7のマルチリンク・オペレーションを使えば、他の業界にも踏み込んで、信頼性の保証や低レイテンシを提供することができます。しかし、レイテンシの改善、つまり、レイテンシを削減することで、より良い保証を提供できるようになることは確かです。物理層でできることはたくさんあります。そういったものが、より良い保証を提供できる条件です。
それから、WiFiは免許不要の周波数帯で運用されており、他のユーザーもその周波数帯を利用していることを理解してもらうことが重要です。これはWiFi専用の周波数帯ではありません。Bluetoothも2.4GHzで動作していますし、Bluetoothをハイベンドでも動作できるという議論もあります。また、6GHzで動作するウルトラワイドバンドというテクノロジーもあります。周波数帯には他にも多くのユーザーが存在し、5 GHzと6 GHzについて言えば、既存のユーザーも存在しているわけです。つまり、WiFi 7では決定論的連携に向けた最初の一歩を踏み出しましたが、できることはまだまだたくさんあるということです。レイテンシの決定論的連携の側面を改善することが、より良いサポートを可能にし、そのようなオペレーションを必要とするユースケースに対応するために非常に重要なことがわかります。
注目に値する、もう1つお話しておきたい点は、今日のアクセスポイントです。たとえば、いま現在、家にアクセスポイントが何個あるのか、そして企業内にアクセスポイントがいくつあるか数えられますか。少なくとも私の家では、4つのアクセスポイントがあります。私はマニアですし息子も優れた接続を望んでいるので彼の近くに1つ配置しています。ですから、家にはこういったメッシュシステムを導入しています。家全体をカバーする複数のアクセスポイントを備えたこのようなメッシュシステムのある一般家庭が現在多くあると思います。また、企業内にはアクセスポイントがいくつあるでしょうか。しかし、WiFiの観点から見ると、これらのアクセスポイントはすべて互いに独立して動作しているのです。
というのも連携がないからです。つまり、ソフトな連携のみが行われており、今日、これらのアクセスポイントを全てを備えたネット・エンタープライズにアクセスすると、コントロールは、実際あります。インフラ内にあるワイヤレスリンクコントローラは存在しています 。しかしリアルタイムではないコントロールです。例えば、このアクセスポイントはこのチャンネルに配置し、あのアクセスポイントはこちらのチャネルに配置し、送信電力を設定できますし、制御できるノブもあります。でもこれはリアルタイム制御ではありませんよね。リアルタイムレベルでは、スペックはこれらのアクセスポイントからパケットを送信します。それらがうまく連携されていない場合、衝突を引き起こす可能性があるわけです。また、一方の自然ネットワークからもう一方のネットワークへの送信では、各チャーターと衝突したり、複数のアクセスポイントがあったりして、より細かい粒度レベルで連携されていないために最高のスペクトル効率が達成できていない可能性があります。
「細かい粒度」とは、実際には、今日行われているような一連のものではなく、単一の送信レベルについてです。ですから次世代のWiFiでは、いわゆるマルチアクセスポイントの連携が見られることになると思います。このようなアクセスポイントは、今後、相互に連携することになります。 WiFi 8では、この連携が行われることになるでしょう。そしてこのマルチアクセスポイントの連携と合わせて、時間、周波数、空間における連携が行われ、レイテンシを改善するためのメガニズムで、レイテンシをより予測可能にすることができるようになります。このようなものは他にもまだたくさんあります。ただ、ここでユーザーの皆さんに向けて申し上げたいのは、この2つのトピックは、次世代WiFiの大きなトピックになるということです。これらの機能を実現するために多くの機能が開発されてゆくことになるでしょう。