デジタル治療パート2
Raymond Yin
The Tech Between Usを再びご視聴いただきありがとうございます。今回も、引き続き、Digital Medicine Society のアソシエイトディレクターであるスミット・パテル博士から「デジタル治療」についてお話を伺いたいと思います。前回の対談を聴き逃した方は、Empowering Innovation Togetherページにアクセスし、対談の第1部をご視聴ください。
まず、少しだけ糖尿病の話に戻りたいと思います。血糖値測定器メーカー、Dexcom(デックス・コム) はCMを出していますが、マウザー社内でも、小さな Dexcom センサを持っている者が何人かいます。デジタル治療にはすべてハードウェアとソフトウェアの要素があるのでしょうか?それとも、どちらか一方が中心になるのでしょうか?
Smit Patel
良い質問ですね。それは、私が業界側から話しているのか規制当局側から話しているのかによって異なります。「デジタル治療」という用語は、Digital Therapeutic Alliance(デジタル・セラピューティック・アライアンス)という、業界関係者を集めた組織、業界団体によって作られました。現在、国際標準化機構 ISOも、これをソフトウェアを主体とした製品であると定義しています。しかし、ソフトウェアはそれだけでは実行できません。
それを搭載するハードウェアプラットフォームが必要になります。ただし、それでもデジタル治療は、その組み合わせなのです。それでは、ハードウェア製品やソフトウェア製品の業界はデジタル治療をどのように捉えているのでしょうか。また、規制当局は機能言語をどのように考えているのでしょうか。ここで少し説明したいと思います。新しい分野では、ハードウェア・コンポーネントとソフトウェア・コンポーネントを構築することが重要になります。ハードウェア・コンポーネントとは、スマート体重計、ウェアラブルなど、ハードウェア・モバイル・プラットフォームに搭載されるさまざまなスマート製品のことで、それに対して、ソフトウェア・コンポーネントとは、そのハードウェア・コンポーネントに搭載されるアプリケーションのことです。問題は、このソリューションのうち、デジタルヘルス・ソリューションは、ハードウェア・コンポーネントとソフトウェア・コンポーネントを持つ場合もあれば、持たない場合もあり、場合によっては複数もつことがあることです。ウェアラブルセンサを例に挙げましょう。ウェアラブルウォッチには、2つのハードウェア製品、1つのソフトウェア、2つのソフトウェア製品のように、これら3つのプラットフォームをつなぐソフトウェアコンポーネントがあり、それがデジタルヘルス治療ソリューション全体のサブセットになります。
米国食品医薬品局FDAは、基本的に機能に基づいて捉えています。では、デバイス機能とは何で、もう1つの機能とは何でしょうか? デバイス機能とは、実際のジョブを実行する主要なコンポーネントです。つまり、FDAが定める医療機器の要件を満たすことができるもので、それに対して、補助コンポーネントは医療機器の定義を満たさないものの、患者のリスクにつながる主要コンポーネントの機器の機能に何らかの影響を与える可能性があるものです。たとえば、少し複雑かもしれませんが、その機能が何に適しているかを明確にします。経皮的電気神経刺激装置を開発する場合、その装置にはモバイルプラットフォームがあり、これが患者の痛みを治療するための変数になります。電気神経刺激には可変的な要素がありますから。2 つのハードウェアデバイス機能があり、刺激のレベルを調整するアプリ用のソフトウェアもあります。デバイス機能、つまり主な機能は、痛みを治療すると謳っているため、治療に使用される電気刺激を意味します。そして2つ目のデバイス機能は、刺激レベルを制御するソフトウェアアプリであり、刺激のレベルに基づいて、痛みを治療します。したがって、これらの 2 つが主なコンポーネントまたは主な機能、製品のデバイス機能になり、もう 1 つの機能は、Bluetooth トランシーバや通信を備えたモバイルプラットフォームになります。Bluetooth プラットフォームは、これらすべてのソリューションを接続するものであり、治療するものではありませんが、もう1つの機能の信頼性とセキュリティが、例えば、送信機が危険にさらされ、接続性が損なわれた場合、影響を被る可能性があります。アプリが想定していたレベルの刺激を与えることができなくなります。それは、ハードウェアかもしれないし、ソフトウェアかもしれません。ハードウェアとソフトウェアが何をしているかによって異なります。
Raymond Yin
わかりました。
Smit Patel
おわかりいただけたでしょうか? 少し複雑でしたが。
Raymond Yin
そうですね、実施のハードウェアは、電気刺激のような治療に必要なことを行えなければならないので、実際に体に電荷を与え、刺激を与えることのできるウェアラブル、またはデバイスでなければならないわけですね。実際にそれを制御するのがソフトウェアアプリです。しかし、お話にあったように、それらをつなぐさまざまな通信プラットフォームがありますが、それは必ずしも治療そのものに直接関係しているわけではありません。
Smit Patel
そうです。この場合は、そうですね。
Raymond Yin
大昔の話になりますが、フィールドエンジニアとして、以前、ここダラスにあるアボット・ラボラトリーズという企業を訪ねたことがあります。大手製薬会社の1つで、そのエンジニアリング・チームと仕事をしていました。彼らの最大の頭痛の種であり、最大の障壁のひとつは、実はFDAのプロセス、つまり承認プロセスや申請プロセスでした。デジタル治療でもまったく同じプロセスが必要なのでしょうか、それともデジタル治療のためのプロセスがあるのでしょうか?
Smit Patel
デジタル治療のプロセスはもう少し簡単だと思います。
Raymond Yin
それはエンジニアにとって朗報ですね。
Smit Patel
間違いなくそうでしょう。というのも、デジタル治療はよりソフトウェア主体になるからです。FDA の構造基盤に従い、リスクに基づいています。よろしければ、もう少し詳しく説明しましょう。デジタル治療は、そのリスクに基づいてクラスI、またはクラスIIの医療機器に分類されます。そしてそれに基づき、510Kパスウェイとde novo(デノボ)パスウェイが適用されるため、市販前の承認を受けなければならなかった旧世代のハードウェアとは異なり、クリアされた、あるいは認可された製品になります。旧世代のハードウェアは、長い年月、何年ものデータ、何年もの臨床研究、多くの特別な要件への対応が求められました。リスクに基づいているためです。デジタル治療製品は、510Kパスウェイが最も一般的なパスウェイであり、ソフトウェアベースであるため、他の製品と比べてリスクが低く、市場で特定できる先行品があります。
たとえば、ADHD 向けのソフトウェアベースのアプリを開発しているとします。 FDAのデータベースには、臨床的観点、技術的観点からすでにクリアされている別のソフトウェアアプリがあり、それを先行品との比較と読んでいます。つまりすでに市場に出ているものと比較することを意味します。 もし同じであれば、開発者は実質的な同等性を申請することができます。これは、「私はこの製品を開発していますが、市場にある製品と似ていますよ」ということです。 全レベルのテストを行う必要はありません。 新しいデジタル治療製品の要件全体を検討する必要がないため、510 K パスウェイにより、はるかに経済的かつ迅速な方法で認可を取得できるのです。
Raymond Yin
それが重要ですね、スピードが。
Smit Patel
はい、ただし、確かにパスウェイは速いのですが、使用目的や製品の使用表示によって、また、患者にどのようなリスクをもたらすかによって異なってきます。
Raymond Yin
つまり、デジタル治療のイノベーターは、技術的観点からも、FDAの観点からも、文字通り先人の肩の上に立つことができるということですね。
Smit Patel
ええ、そうです。
Raymond Yin
すでに承認されているものと類似していることを証明できれば、FDAのプロセスが簡略化されるわけですね。
Smit Patel
そうです。しかも、510K プロセスは長年にわたって実施されてきました。
Raymond Yin
では、デジタルとしては新しいのでしょうか?
Smit Patel
デジタル治療についてですが、FDAがこの構造基盤をどのように構築したかというと、1976年に新しい議会法が制定され、FDAに医療機器を規制する権限が与えられました。1976年当時、医療機器の規制は今とは少し違っていました。MRIのような大型のハードウェア部品が規制対象だったのです。1990年代から2000年代初頭にかけて、ソフトウェアベースの製品が登場しました。ドットコム・バブルの到来です。以来、ソフトウェアベースの製品が市場に出回るようになりました。デジタル治療は、非常に新しいものであり、しかもソフトウェア主体です。ですから、FDAの医療機器規制の構造基盤の下に置かれています。医療機器のクラスIとクラスIIに該当する場合、従来のルートは510Kです。またFDAは、de novoという新しいパスウェイも用意しています。
たとえば、デジタル治療で、データベースを調べても比較する先行品が見つからなかった場合、de novo パスウェイを申請することができます。製品は類似していますが、独自の用途があり、すでに市場にある製品と比べて独自性がある場合、FDAに対してもう少し詳細な情報を追加する必要があります。ですから、FDAは、迅速化したり、あるいは加速するのではなく、むしろ、イノベーターが規制プロセスをより効率的に進めることができるようなパスウェイを作ることに前向きなのです。 つまり、de novo パスウェイは、市販前承認が要求されるクラス IIIのハイリスク製品でない限り、イノベーターが取ることができるもう一つの方法です。市販前承認には、時間と労力とコストがかかりますから。
Raymond Yin
確かに、製品の設計には半年から 1 年、あるいは1 年半もの時間がかかるかもしれませんが、承認プロセスには、臨床データをすべて揃えるまでにその 2倍 〜 3 倍の時間がかかりますよね。治療ソフトウェアについていろいろお話を伺ってきましたが、デジタル治療ハードウェアには、特別なカテゴリー、特別な配慮事項はありますか? MRI でもなく、明らかに手術器具でもなく、ウェアラブルやセンサパッチに近いものです。一般的に、こちらの方が FDA の承認が早く下りるのではないでしょうか?
Smit Patel
とても良い質問ですね。 FDA の承認プロセスについては、ここで説明の仕方が変わるかもしれません。 デジタル治療は、ハードウェアであってもソフトウェアであっても、やはり医療機器に分類されます。
Raymond Yin
なるほど、どちらもですか?
Smit Patel
それが何をするかによって決まります。そのハードウェア、あるいはソフトウェアの使用目的は何か? また、そのハードウェア製品やソフトウェア製品が対象とする症状は何か? 対象とする年齢層は? 患者層は? 製品のリスクが組み込まれる可能性のある場合、その技術的特徴は何か、あるいは、その可能性のない場合の技術的特徴は何か、などです。例えば、スマートマットを考えてみましょう。これはハードウェア製品で、糖尿病性足潰瘍の患者の体温の遠隔監視に使用します。市場に出ていますが、製品のリスクレベルは低いと言えます。
スマートマットは外用であり、生体を傷つけません。糖尿病性足潰瘍の予防のための治療的介入として、5週間先のデータを提供するものですが、それでも、製品はクラスIです。FDAでは、その製品はリスクが低いため、クラスIに分類しているのです。それに対し、心不全患者の画像診断を行う心臓AIアルゴリズムは、リスクが少し高くなります。なぜなら、この画像の特異性の分析が、医療提供者に対する補助的な支援として要求されるものに達しない場合、それより高いリスクにつながるからです。患者の心不全が、偶然0.001の確率で、検出できなかった場合のことを想像してみてください。
患者の死につながるかもしれません。ですから、少しリスクが高くなり、クラスIからクラスIIに移行します。これは中程度のリスクの製品ですが、医療機器、デジタルヘルス製品のほぼ53%が中程度のリスクに該当します。
3つ目はリスクの高い製品です。「FreeStyleリブレ」は可変センサですが、取り付け可能なマイクロニードルが入っています。リスクを高めるいくつかの兆候があります。ソフトウェアが機能しなくなって良好な測定値を提供しない場合、患者の血糖値を上昇させる可能性がありますが、検出されません。また、医師が治療法を変更すると、高血糖または高低血糖になる可能性があります。つまり、血糖値が高すぎたり、低すぎたりするのです。
これは患者にとってリスクが高いので、FDAはリスクパネルで高リスクに分類しています。クラスIとクラスII、低リスクと中程度リスクは、510Kやde novoパスウェイにより、より迅速かつ低コストな経路で規制を通過します。そして、高リスクの製品は、PMAパスウェイ、または市販前承認パスウェイを通過します。これには、製品が規制されていること、安全で効果的であることをFDAが確認するため、評価に時間がかかります。
Raymond Yin
デジタル治療であるという事実が重要なのではなく、ソフトウェアであろうとハードウェアであろうと、患者に対するリスクレベルというFDAの本来の要件に立ち返り、それに従ってデバイスを分類し、FDAの承認による適切なパスウェイを取ることが重要なのですね。
Smit Patel
そのとおりです。その製品の目的は何なのか、ということに立ち返るわけです。私たちDiMe では、米国デジタルヘルス規制パスウェイについて基礎研究段階のプロジェクトを実施しました。 50 を超えるリソースを作成し、個人が利用できるインタラクティブなツールにまとめました。いくつかの質問に答えることで、ハードウェアかソフトウェアかに関わらず、規制されるかどうかが判断できます。その製品は規制されるのか。リスクタイプは何か。段階的にプロセスを経ることで、最終的に、その製品の正しい規制パスウェイがわかるのです。ハードウェア要素がソフトウェア要素に適合していたとしても、少し複雑で入り組んでいるため、基本的にはすべてのプロセスを経る必要があります。
Raymond Yin
ところでDiMe とは Digital Medicine Societyの略称ですが、先ほど私たちはそう呼んでいなかったかもしれません。DiMeは実際に、可能性を秘めた新しいデジタル治療企業のために、起業家やエンジニアに向けてリソースを作成し、この複雑な申請プロセスをガイドするなどの支援を行っていますね。
Smit Patel
そうですね。私たちは、30 を超えるガイダンス、複数のポリシー、発案のすべてを 1 つのインタラクティブなツールに統合し、結果と詳細な説明を示すフローチャートを作成しました。医療技術企業、技術企業、イノベーター、そしてFDAにも参加してもらい、規制科学の専門家も集め、30人以上の専門家の英知を1つの製品に注ぐことができるよう、ハーバード・メディカル・センターのようなアカデミアを作りました。また、さまざまなパスウェイやチェックリストに関する50種類ものリソースも用意しています。
Raymond Yin
それはすごいですね。これは医療機器にとって最も複雑な問題の 1 つだと思いますが、その解決につながる素晴らしいツールを開発されたわけですね。
Smit Patel
はい。無償ですので、どうぞ自由に利用してみてください。規制のない分野や製品をどうするかなど、かなり難しい問題を解決していく上で、あらゆるイノベーターにとって有益なものであるはずです。
Raymond Yin
先ほど、AIベースのアルゴリズムについて少し触れておられましたが、これまで、このポッドキャストシリーズでは、AIと機械学習が、産業用製品から民生用製品にいたるまで、私たちの生活のあらゆる側面に影響を及ぼしていることを取り上げてきました。AIと機械学習は、特に放射線医学において、癌の発見にも役立っています。デジタル治療では、人工知能と機械学習アルゴリズムはどのように活用されているのでしょうか?
Smit Patel
とても良い質問ですね。いたるところでAI が活用されています。
Raymond Yin
いたるところでですか。
Smit Patel
ええ、いたるところでです。AI やアルゴリズムはそれだけで治療してくれるわけではありません。繰り返しになりますが、ソフトウェアが病気の予防・管理をする場合、それはデジタル治療に分類されます。AI や 機械学習の分野では、医療現場のデバイスソフトなどで、開発が進んでいます。面白いことに、FDA も過去数年、このことに気づいており、技術界には大きな進歩が見られました。医療分野では、ご指摘のとおり、循環器系画像など、さまざまな臨床アプリケーションへの活用が進んでいます。デジタル治療についても、予防と健康管理に関する多くの開発が行われています。
FDAはここ数年のAIの著しい発展を見て、AI・機械学習対応機器に関する非常に新しいガイダンスを発表しました。このガイダンスでは、事前変更管理計画(PCCP)という概念について説明しています。この新しい概念、今日の次世代ツールの構想では、FDAがガイダンスの中で簡略に説明しているように、医療目的のAIソフトウェアを構築している個人や、患者の臨床ケアに使用する機械学習アルゴリズムを構築している個人は、PCCPにより初期計画を提出し、基本的にFDAを通すことができます。PCCP、つまり事前変更管理計画によって、製造業者やイノベーターは、将来、規制当局に再び申請しなくても、変更を加えて、製品を進化させることができるようになります。
つまり、PCCPを提出すれば、その管理計画の中に、将来何が変更されるのか、変更プロトコルは何か、また、AIツールが大量のデータを学習した場合、その変更にどのような影響があるのかが記述されていることになります。FDAがこの新しいガイダンスで言っていること、そしてイノベーターに求めていることは、今、変更管理計画を提出することで、将来、規制当局に再度提出する必要がなくなり、むしろ今から製品を安全で透明性のあるものにすることができる、ということです。FDAはこれに意欲を示しています。Caption Health社の心臓AIソフトウェアは、今年初頭、PCCPによって認可された最初の製品ですが、これによりイノベーターは、将来、1年前または5年前に構築したものに関して再度申請する必要がなくなり、製品を自由に変更したり、修正することができます。
Raymond Yin
データと改善により、モデルが進化し、発展しても、最初からやり直す必要はないんですね。 PCCP プログラムに基づいて、組み込むだけですね。
Smit Patel
その通りです。しかし、これも変更内容によります。イノベーターはどのような変更が予想されるかについて報告しなければなりません。将来のリスクが高いかどうかが関連してきます。そして、もし今から5年後にその計画から逸脱した場合は、FDAから、再評価、再審査、再提出が求められる可能性があります。しかし、FDAに報告した計画を遵守するのであれば、より連携が取りやすくなります。産業界と各機関が協力して、製品を市場に投入し、また、イノベーターと開発者のプロセスを簡素化して、将来、製品がどう進化するのかについて早い段階で変更計画を共有するのです。そうすることで、一度規制プロセスを通過したイノベーターは、製品やデバイスを変更するたびに、何度も規制対応を行う必要がなくなります。
Raymond Yin
将来、デジタル治療には、機械学習が不可欠になりそうですね。
Smit Patel
はい。AI を組み込むことで、デジタル治療やデジタル医療以外にも多くのことが予見できます。
Raymond Yin
さて、ここで未来に目を向けてみましょう。次の質問は、半導体およびシステムレベルソリューションの大手メーカーであり、番組提供パートナーである Bourns(ボーンズ) 社からのものです。同社について詳しくは、mouser.com/bourns をご覧ください。
未来についてですが、今後どのような展開が予想できるか教えてください。デジタル治療のどの分野が、アプリケーションや手法の面で革新的で画期的なものになると思われますか? また、デジタル医療やデジタルヘルスケアの枠組みの中で、デジタル治療の将来には何が期待できますか?
Smit Patel
ええ、それにはたくさんありますが、主に3つに分類したいと思います。
1つは、間違いなく測定です。デジタル医療測定製品は、身体に関する情報、生理学的機能をデジタルで測定します。以前にはなかった情報が利用できるようになったのです。オイルやブレーキ、スピードなどのセンサを搭載していない車の運転を考えてみてください。どこに行き着くのかわかりません。健康について言えば、センサ製品が登場するまでは、CO2や酸素飽和度、加速度計のレベルを測定していましたが、今では特定の病気や障害を測定できるようになりました。ですから、デジタル測定製品は、私たちの健康をより効果的に管理するのに役立つと思います。2つ目は、AIや機械学習に関するものです。AI・機械学習アルゴリズムの可能性は、臨床アプリケーションの効率化という点で不可欠です。
医者にできないことはたくさんあります。AI は、システムに存在する非効率性を解消してくれる優れた支援ツールになるはずです。今後、米国で活用できるようになったことを嬉しく思っています。事前承認は、書類を準備し、支払者へ提出するなど、患者の薬代の払い戻しを受けるまでに多くの時間がかかります。AI があれば、医師は 30 分ごとにカルテを入力する代わりに、その時間を使って患者との関係を築き、患者が必要としている親身な対応ができます。 そして 3 つ目ですが、レイモンドさん、今、ボストンでは、病院の予約を取るのにどれくらいの時間がかかるかご存知ですか? 循環器専門医の予約には、 72 日も待たされるのです。
Raymond Yin
そうなんですか? それはひどいですね。
Smit Patel
専門の臨床医がいない農村地域ではもっと待たされます。デジタル治療は、携帯端末だけで大幅な展開を可能にし、私たちにできること、またその方法を大きく変えます。つまり、デジタル治療により、より多くの患者に、より早く、より効率的に治療を提供できるようになるのです。今後は、メンタルヘルスからウェルネス、さらには予防管理まで、さまざまな治療分野に活用が広がっていくと思います。
Raymond Yin
今回の The Tech Between Us を最後までご視聴いただき、ありがとうございました。このポッドキャストは、デジタル治療について取り上げたマウザーの特集コンテンツの一部です。さらにEmpowering Innovation Together全シリーズの動画、技術記事などのコンテンツをご覧になるには、mouser.com/empowering-innovationにアクセスしてください。
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