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The Tech Between Us パート3

はじめに:ここからは、The Tech Between Us特別編をお届けします。番組ホストのレイモンド・インと、イムル・ギョク博士 によるグリーンエネルギー貯蔵システムについての対談の中で、第1部と2部では収録できなかった質問をご紹介します。

レイモンド・イン:世界がカーボンニュートラルを実現するのはいつ頃だとお考えですか?

イムル・ギョク:完全にカーボンニュートラルになるとは思いません。というのも、常に炭素を発生させるものが存在するからです。完全に達成せずとも80〜90%に達することができれば、大気中に二酸化炭素をあまり排出せず、二酸化炭素の影響を低減することができると考えています。

レイモンド・イン:そうですね。それに地球は自然治癒力を発揮し始めるかもしれません。

イムル・ギョク:その通りです。2050年くらいまでに、そうなるのではないかと思います。

レイモンド・イン:なるほど。つまり、あと20年から30年ということですね。

イムル・ギョク:ええ。カーボンニュートラルや再生可能エネルギー電力導入に関する法整備など、2050年という目標に向かって多くの人たちが真剣に取り組んでいます。そして、政権もその実現に全面的に協力しています。

レイモンド・イン:  そうですね。ところで、ギョク先生はこの23年間、大学、教育という学術界と政府の両方でお仕事をされてきたわけですが、それぞれの魅力はどこにあるのでしょうか?

イムル・ギョク:私はどちらも好きです。大学の仕事に関して言えば、抽象科学には美しさがあります。私は理論物理学の出身ですが、美しい構造を作ることですね。もちろん、学生と一緒に仕事をする、若い人たちと一緒に仕事をするのもいいですね。

レイモンド・イン:ええ、素晴らしいことです。わかります。

イムル・ギョク:一方、政府との仕事は、世界を変えることができるということです。

レイモンド・イン:なるほど。 

イムル・ギョク: 例えば蓄電技術の場合、世界をより良くしようとする大勢の科学者やエンジニアと一緒に、最前線で先駆的な研究を行い、サポートし、協働する機会を得ました。

レイモンド・イン:素晴らしい。では、今、手を引くべき、あるいはこれ以上、追求すべきでない技術というのはありますか?

イムル・ギョク:思いつきませんね。

レイモンド・イン: では、すべての技術に可能性があるということですね。

イムル・ギョク:はい、現時点では。すべての技術を推し進めなければなりません。

レイモンド・イン:なるほど。まだ何も中止すべきではないということですね?

イムル・ギョク:そうです。

レイモンド・イン:わかりました。これまでで最もやりがいのあるエネルギープロジェクトは何でしたか?

イムル・ギョク:繰り返しになりますが、全部です。

レイモンド・イン:  お気に入りはなかったのですか?

イムル・ギョク:いいえ。例えば、ニューメキシコ州のピクリス・プエブロ族との仕事では、エネルギーの自給自足を目指す人たちがそれを達成するのを支援するという、素晴らしい経験ができました。新しい環境でもありましたね。また、オーストラリアを端から端まで巡って、蓄電について説いて回ったこともあります。当時、オーストラリアはまだ蓄電に関する何のプログラムを推進していなかったので、シドニーからパースまで各地を巡り、エネルギー貯蔵に関する講演を行って、蓄電の潜在的な利点について伝えました。そして、その1年後、政府は貯蔵プログラムを導入したのです。また、アラスカのある村の水力発電プロジェクトに資金を提供したこともあります。飛行機で行くか、船で行くしかない、とても辺鄙な場所です。でも、水力発電は蓄電池と組み合わせることで、機能が向上しました。また、アルバカーキの高校では、メキシコ音楽のマリアッチの演奏でテープカットを行いましたが、これも素晴らしい経験でした。このように、どれもやりがいがありました。

レイモンド・イン:よくわかります。先生と研究チームは、13個ものR&D 100アワードを受賞されました。これは、リスナーの皆さんにとって、テクノロジー業界のアカデミー賞に相当するものですが、これが1つの証明になります。年代順にいくつか挙げていただけますか?

イムル・ギョク:チャートを出すわけにはいかないので、最初のものについてお話ししましょう。

レイモンド・イン:はい、お願いします。

イムル・ギョク:実は、最初は2つなんです。送電線の磁界を実際に測定せずに、測定するというものでした。しかし、実際には2つのプロジェクトでR&D 100賞を受賞しました。2つのプロジェクトを抱え、私は徹夜して両方に対応していました。

レイモンド・イン:同じ年だったのですか?

イムル・ギョク:はい、同じ年に 2 つの賞を受賞しました。

レイモンド・イン:13個というのはすごい数字ですね、おめでとうございます!試作や迅速な開発が期待される新技術は何でしょうか?ご自身の分野でも他の分野でもかまいません。

イムル・ギョク:  ええ、私の分野であります。

レイモンド・イン:お願いします。

イムル・ギョク:私たちは、カリフォルニア州エネルギー委員会から大規模なプロジェクトの誘いを、そしてエネルギー省からもさらに大きなプロジェクトの誘いを受けています。その目的でもある、リチウムを使わない優れた技術がすぐにでも導入されるはずです。これからも多くの優れたプロジェクトが生まれると期待しています。これまでのものは、技術がまだ整っていませんでしたが、バナジウムを含むフロー電池、空気亜鉛電池、熱電池、重力電池など、多くのものが登場する予定です。

レイモンド・イン:エネルギー不安を抱える地域にとって、貯蔵システムはどのような助けになるのでしょうか。先ほども少しお話いただきましたが、それについて何か補足することはありますか?

イムル・ギョク: はい。この状況がどれほど深刻かということです。社会的公平性の問題が明らかになっており、実際に電力格差が見られます。10年ほど前までは、電気代は消費者指数にほぼ連動していました。

レイモンド・イン: なるほど。

イムル・ギョク :でも、この10年間で、電気代は消費者指数をはるかに上回る勢いで上昇しました。

レイモンド・イン:そうなんですか。知りませんでした。

イムル・ギョク:ギリギリの予算で仕事をしているのであれば、使えるお金は本当に少なくなってしまいます。電気代は、私たちにとっては小さな出費項目かもしれませんが、十分なサービスを受けていない地域にとっては、より深刻な出費項目です。そのため、電気代が上がれば、彼らに大きく影響します。また、先ほども述べたように、十分なサービスを受けていない地域では停電が長引き、その可能性も高くなります。

レイモンド・イン:つまり、より頻繁に起こるという意味ですか?

イムル・ギョク:その通りです。 

レイモンド・イン:わかりました。

イムル・ギョク:しかも、ほんのわずかな割合ではなく、3倍や5倍の頻度である可能性があります。つまり、そこには大きな問題があるのです。

レイモンド・イン:  そのとおりですね。先ほどおっしゃったように、エネルギーに大きな格差が生じているわけですね。

イムル・ギョク:そうです。石炭火力発電所がまだある地域に住む人々は呼吸器系の疾患を抱えています。もちろん、僻地の農村や先住民コミュニティもあります。特に先住民のコミュニティでは、電気が通っていないことが多いのです。人里離れた美しい風景の中にある小さな家に、送電線や配電線を引くのは費用対効果に見合うとは言えません。

レイモンド・イン:発電所や変電所から何百キロも離れていますからね。

イムル・ギョク: ですから、このような人たちに太陽光発電と蓄電を提供したいと考えています。

レイモンド・イン:  素晴らしいです。再生可能エネルギーとエネルギー貯蔵に移行するよう周囲を説得するには、どうすればいいでしょうか?

イムル・ギョク:現在、壊滅的な災害、洪水、干ばつが頻発しています。竜巻、吹雪もあります。

レイモンド・イン :最近、頻繁に起こるようになりましたね。

イムル・ギョク:ますます頻発するようになっています。それだけではなく、海面上昇、作物の肥沃度の低下、害虫の増加もあります。これらはすべて、私たちが大気中に放出した二酸化炭素が原因です。その二酸化炭素層が、過去8,000万年間の2倍まで増えています。ですから、思慮深く責任感のある人たちを説得する必要はもうありません。それは明らかなことです。脱炭素社会の到来は明らかであり、当然のことなのです。ただし、それを達成する方法はあまり明らかではありません。

レイモンド・イン: なるほど。グリーンエネルギー貯蔵システムで注目すべきリーダーは誰でしょうか?株式の情報を求めているわけではありませんが、この技術を本当に進歩させていると思われる真のリーダーはいるのでしょうか?

イムル・ギョク:  おそらく十数州で、電力会社がグリーンエネルギーとグリーン貯蔵エネルギーを推進するリーダー的存在になりつつあります。電力会社は、従来のビジネスを変えなければならないと考え、未来の技術をすべて受け入れて、それを推進しています。エネルギー省ができることは、その目標に到達するのを支援することです。

レイモンド・イン :つまり、電力会社が、エネルギー貯蔵と再生可能エネルギーシステムの新しい主役になるというわけですね。

イムル・ギョク:以前は意欲が感じられませんでしたが。

レイモンド・イン:  ようやく状況を理解したんですね。

イムル・ギョク:はい、そう思います。

レイモンド・イン:  今回のThe Tech Between Usを最後までご視聴いただき、ありがとうございました。このポッドキャストは、グリーンエネルギー貯蔵システムについて取り上げた特集コンテンツの一部です。さらに詳しくご覧になりたい方は、mouser.com/empowering-innovationにアクセスください。Empowering Innovation Together全シリーズの記事、動画、ユースケースなど、各種コンテンツがご覧いただけます。

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