The Tech Between Us パート2
Raymond Yin:
The Tech Between Usを再びご視聴いただきありがとうございます。今回も、引き続き、Connectivity Standards Alliance (CSA) の最高技術責任者であるクリス・ラプレさんから「Matter」についてお話を伺いたいと思います。前回の対談を聴き逃した方は、The Tech Between Us番組ページにアクセスし、対談の第1部をご視聴ください。
エンジニアのリスナー、特にこれから新製品を作成しようとしている方々に向けてもう少しお話ししましょう。エンジニアや企業が Matter を始めるにはどうしたらいいのでしょうか?
Chris LaPré:
私たちはオープンな実装をしています。これをSDKと呼んでいて、GitHub(ギットハブ)に置いてあります。SDK全体はオープンで開発されていたので、実は2020年の1月から公開されています。このSDKの開発に関しては、すべてオープンで行ってきましたので、それを公開しました。10月の時点で、それが確定しています。1.0リリースというラベルがあり、それに同期することができます。1.1の中身を見ることもできますし、最初に見るべきところです。そこに行けばすべてのコードが手に入ります。よりシンプルなタイプのデバイスについては、私のチームが、より複雑なデバイスへの移行方法、あるいは特定のデバイスの製造方法についての動画やドキュメントを作成しています。例えば、「Matter」暖炉を作りたい人がいたら、暖炉でどんなことがしたいのか、ご連絡ください。
Raymond Yin:
正弦波のようにですね?
Chris LaPré:
そして、正弦波の前の光景を想像してみてください。暖炉で何を燃やしますか?楽しいことがたくさん想像できるかもしれませんが、まさに今はじめましょう。私たちと一緒に、明日にでも作成できます。
"このような動画もすべて作成します。このSDKを使えば、明日にでも電球を作ることができるんです。スマートプラグは、本当に簡単に作ることができます。複雑なデバイスの場合は、いくつかの手順を踏む必要があります。でもその解決は、私たちがお手伝いします。先ほども言いましたが、より複雑なデバイスの手順を解説した動画を作っています。また、スペック自体は、私たちのWeb サイト CSA-IOT.org からダウンロードできます。そのコードを変更することで、コンプライアンス維持が確認できます。"
これがスタートラインです。デバイス認証には入会が必要ですが、それを最後のステップにしたいと考えています。電球を作るだけなら、電球が100%機能すること、そこにあること、しっかりしていること、テスト方法、すべてがうまくいっていることを知ることができるはずです。そして、その電球を認証したいときに、メンバーとなってそのデバイス認証を行い、市場に出すことができるのです。
Raymond Yin:
仕様はオープンソースです。すべてのコードが、オープンソースです。サイトに行って、取得し、ダウンロードして始めるだけです。準備が整ったら、会員となり、実行することができます。非常に簡単だと思います。
Chris LaPré:
ここで一言付け加えさせていただければ、スペックは、厳密に言うと、オープンソースではありません。スペックは世界中に公開されています。この部門は社内プロセスで開発されているので、スペック変更に協力するためにはメンバーになる必要があります。しかし、SDKはオープンソースなので、そちらで提案をすることができます。ただし、新しいデバイスタイプの場合は、その要件について協力していただきたいです。その場合、メンバーとして参加するのがいいでしょう。
Raymond Yin:
明確にしていただき、ありがとうございます。それは重要な違いだと思います。以前、「ZigBee Alliance」だったとおっしゃいましたね。ZigBee は、Matterのルーツですか?つまり、エンジニアがMatter 向けに設計できるようにするために、ZigBee の詳細を知る必要がありますか?
Chris LaPré:
ZigBeeについて詳しく知る必要はありません。右上にあるのがZigBeeクラスタライブラリ、またはデータモデルと呼ばれるものです。現在のMatterは、ネットワーキングの標準としてのZigBeeとは何の関係もありません。MatterはWi-FiとThreadをサポートしています。ThreadはZigBeeに関連していて、802.15.4でもありますが、15.4の下にIPの右ルーティングがあります。私たちとは別にThreadのグループがあり、そちらが責任を持っています。しかし、その上にあるデータモデル、ZigBeeクラスタライブラリは、Matterが使用するものの基礎となっています。デバイス・タイプとそのデバイス・タイプができることをどのように構造化するかという点では、ZigBeeが行っていることと強い類似性がありますが、私たちはそこにいくつかの改良を加えています。ZigBeeへの移植も行っているので、同じデータモデルであることに変わりはありません。ZigBeeを知らなくてMatterを学びたいなら、まずZigBeeを学ぶ必要はないでしょう。Matterを学べばいいのです。
Raymond Yin:
直接 Matter に飛び込めばいいのですね。
Chris LaPré:
ええ、ただ、ZigBee をすでに知っているのであれば、その知識は Matter に飛び込むときに役立ちます。Wi-Fi やThreadをすでに知っていれば、なおさらです。これらの 3 つの知識は、Matterでの 経験にも必ず生きてくるはずです。
Raymond Yin:
Matter の基盤として 802.15.4 を挙げていましたね。そのOSIモデルの中で、Matter はどこに位置づけられるのでしょうか?そのスタックはどのようなレベルで動作するのですか?
Chris LaPré:
802.15.4 は ZigBee と Thread の基礎です。 Matter は UDP より上に存在するため、3 より上に存在し、他のトランスポートに依存します。 現在サポートしているのは、Wi-Fi と、 UDP トランスポート用の Thread です。 現在、TCP はサポートされていません。 Matterは基本的にそれ以上のものすべてです。ユーザーエクスペリエンス層がなく、レイヤー 5、6、7 が混在しているため、ボタンやドアロックがインターフェースとなり、OSIモデルにはうまく適合しません。 そのインターフェイスを、ドアロックとして馴染みのあるものに似せたいのです。ドアロックを再発明したり、サーモスタットを再発明したりできる、と考えている企業もあると思いますが、現在は、慣れ親しまれているものでいいのです。それがインターフェース層全体です。最上層は何でしょう?
Raymond Yin:
アプリケーション層です。
Chris LaPré:
ええ、そうですね、ほとんどの場合、ハードウェアか、携帯電話の何かがコントローラー側に実装されていますね。
Raymond Yin:
アプリか何かですね?そのインターフェースはしても、設計には関わらないのですね?
Chris LaPré:
直接的には関わりません。でも、Threadグループや Wi-Fi Alliance とは非常に緊密な提携関係にあり、どちらの場合も、IoT 機器に求めるものをフィードバックしています。とても良く対応してくれます。彼らが完成させたものは期待できますし、Thread側のバッテリーサポートに関しても、追加で取り組んでくれます。そして、Wi-Fi 側でのペアリングへの対応もです。これらはすべて、私たちのエンジニアリングロードマップからかなり離れてます。しかし、先程も言いましたが、この2つのグループとは本当に素晴らしい交流があり、現在と将来の展望を得ることができました。
Raymond Yin:
つまり、新しいものを生み出すための土台はすべて整っており、適時ある時点で電車に乗るだけということですね。
Chris LaPré:
はい、その通りです。
Raymond Yin:
先ほど作業グループのお話がありました。現在、CSAではどのような作業グループが進行しているのでしょうか?また、セキュリティなど、具体的に取り組んでいるテーマはありますか?
Chris LaPré:
この件に関しては説明に数分かかりますがよろしいですか
Raymond Yin:
もちろん、必要なだけ時間をかけてください。
Chris LaPré:
ZigBee もまだありますが、これは独自の作業グループです。ZigBeeR23 の新しいバージョンに取り組んでいます。Matter の話に触れましたが、中心にデータモデルがあります。先ほど言いましたように、私たちはそのデータモデルを共有しています。つまり、中心に作業グループがあるわけです。それは主に、どこかで意見が分かれたり、同期から外れないようにするためのガバナンスです。これが、エンジニアリング面でかなり中心的な 3 つの作業グループです。しかし、数年前に開催されたHIVEイベントで、人々が多くのホームデバイスを買い求めるのを妨げるものは何かと考えたとき、相互運用性の問題が挙げられ、「Matter」こそ、その解決策でした。
相互運用性が1つ目。2 つ目は、おっしゃる通り、製品セキュリティです。自宅のデバイスがハッキングされたり、スパイされたり、ボットネットに利用されたりすることを恐れているのです。1 年以上前に、製品セキュリティ作業グループを発足しました。その作業グループは、1.0 プロセスの最初の部分を終えたばかりです。現在、機能セットを検証しています。ですから、今年の後半には、うまくいけば、ほとんど外部の規格に基づいた製品セキュリティ規格をリリースする予定です。したがって、ETSIには 303645 規格があり、NISTには製品の規格があります。これらの規格に準拠しつつ、認証プログラムとラベルプログラムを用意し、消費者が私たちのデバイスを見て、そのラベルを見て、「ああ、これはこの規格に適合している」と判断できるようにするつもりです。
とはいえ、ハッキングできないデバイスというわけではありません。製品のセキュリティは常に激しい競争がありますが、それでも以下のような条件を満たしています。よく知られていてかつ変更できないパスワードを扱うことは規格としてありえません。これはETSI(エッツイ)規格に含まれています。こういったパスワードは使えませんし、だからテストを行っています。そのようなパスワードでは私たちの規格を満たすことはできません。つまり、消費者が「これは基準を満たしている」と確信できるような、実に高いレベルの基準を設定しているのです。また、製品に何か問題が発生し、規格を満たせなくなった場合でも、ファームウェアなどの新バージョンで基準を満たしたことを消費者に伝えることができます。
これが製品のセキュリティです。そして、次に人々の購買意欲を削ぐのが、データのプライバシーです。今、ネットワークにデータを送信している製品があります。さてどうしますか?そこで、データ・プライバシーをテーマとする別の作業グループを立ち上げ、文字通り、今まさに始動しようとしているところです。現在、そのグループのリーダーを決める投票をしています。どのような活動を行うか、私にはビジョンがあります。
今、大まかな計画を立てているところです。基本的には、データを取得したらそれを使ってどうするかといった栄養成分表示ラベルのようなものです。そうすれば、誰も読まないような30ページの法律文書ではなく、私のデータを使って他の人が何をするかを、リンゴとリンゴ、同じもので比較することができます。
また、ある会社の 30 ページの法的文書と、他の会社の 30 ページの法的文書を、消費者のために比較する方法はないでしょう。しかし、栄養成分表示ラベルに、自分のデータではX、Y、Zを行い、他の人のデータではa、b、cを決して行わない、と書いてあれば、同じ言語でそれらを比較することができます。メーカーと協力して、同じ言語で説明することで、本当の意味でリンゴとリンゴの比較になるように努力しています。リンゴの例えはまずかったかもしれません...他の人のデータで何ができるのか、あるいはその会社が何をしようとしているのかという点で、一方から他方への直接的な比較をするんです。また、消費者がお店で何かを買うときには気にならないかもしれませんが、より詳細な情報へバーコードから行けるようにします。今では、家に帰ってからバーコードをスキャンして、2 年前にセキュリティ侵害があり、それをどのように軽減したかというような詳細情報を見ることができるのです。これは素晴らしいことです。そのような情報をバーコードに含めることができるでしょう。さて、これについて何かご質問はありますか?
Raymond Yin:
いえ、大丈夫です。現在、300 人近いメンバーの間で共通言語があるということですね?300 人以上でしたか?
Chris LaPré:
その通りです。明確にいうと作業グループが分かれており、メンバーは作業グループにオプトインする必要があります。すべてのメンバーがオプトインしているわけではありませんが、おっしゃる通りです。私は、このアライアンスの技術責任者として、これらの技術は、相互運用性、製品セキュリティ、データプライバシーという3つの横断的な技術だと考えています。今はまだ、すべてが完了していないため、この3つを分けて考える必要があります。企業は、私たちがこれから2年間でプライバシー面で何を実施しようとも準拠しなければならないとは言えません。しかし、私たちが成し遂げることができれば、メンバーおよびコンセンサス主導の、全体として3つの素晴らしいソリューションが出来上がると信じています。そうすれば、企業は「はい、私はこれら3つすべてに準拠します」と言えるようになり、あなたのデータをどう扱うかを明確にすることができます。そして、デバイスをどのように保護しているのか、そのデバイスは一緒に動作するのか、という最も低いレベルでの相互運用性の約束についても、明確にすることができます。この3つが、IoTの分野、特にスマートフォンの分野を発展させる上で非常に重要だと考えています。
Raymond Yin:
全く同感です。私自身は、先ほどのご指摘のように、セキュリティやプライバシーの問題から、少し引いているところがあります。スピーカーが私の話を聞き、私の会話をすべて聞いて、それをどこに流すかわからないというのは嫌なものです。しかし、セキュリティとプライバシーのルールを統合し、誰もがMatterコンプライアンスを選択できるようにすることで、消費者がこれらのルールを理解してくれるようにする、という計画があるようですね。
Chris LaPré:
そうです、はっきりさせておきますが、3つのトラックはまだ別々です。Matterは、他のプロジェクトとは特に結びついていません。しかし、将来、それらがすべて完了したときには、3つの異なるロゴになるかもしれませんが、現在は3つのトラックです。しかし、ここで取り上げるのは、人々が家庭内で懸念している 3 つの問題です。そして、この3つの問題をすべて解決することで、人々が安心して機器を購入し、家庭に設置し、使用できるようにしようとしているのです。まだ2つの作業グループがありますが、もしプライバシーに関するご質問がありましたらお答えします。
Raymond Yin:
特にありません。共通の役割を設定することが重要だと思います。なぜなら、A社からB社に移ったとき、両社とも「このレベルのセキュリティとプライバシーがある」と主張しながら、文書では明らかにまったく違うことを言っていたりするからです。
Chris LaPré:
そうですね。少なくとも、取り組み始めている問題はそういったことだと言えます。
Raymond Yin:
わかりました。作業グループはもっと増えますか?
Chris LaPré:
これら 3 種類の分野横断的な技術を中心に、3 つの作業グループを設けています。また、必ずしも消費者向けの技術ではありませんが、市場で見られる相互運用性と断片化の問題であるアクセスコントロールもあります。そこで、作業グループを立ち上げました。現在、ほとんどの無線、実際にはドアロックで使用されているすべての無線は、特定の技術スタックと特定の証明書に関連付けられています。現在のスマートフォンはドアロックを開けることのできる2~3種の無線に対応するため、その数分(かずぶん)の証明書と技術スタックを持っている必要があります。そのため、ユーザーひとりにつきその携帯電話で 2~3 の異なるドアのロックを解除できることを基準として、多くのエンジニアリング作業が必要となります。これにはホテルのドアやインスタントキーなども含まれます。
そこで、私たちは複数の無線をサポートできる単一の証明書、単一の技術スタックを使用して、これらすべてを簡素化しようとしています。今の消費者が直面している技術とは限りません。将来的にはわかりませんが、本件には別の作業グループが1 年以上前から取り掛かっています。今年後半から来年初めにもいくつかの発表があるはずです。最後のものは、すでに述べたように、エネルギー管理です。ここではエネルギー管理に焦点を当ててみたいと思います。これらの分野横断的な技術に関する限り、あらゆる種類のものが Matter に適合します。お話してきたこれらの新しいデバイスタイプ、車両の充電器、または給湯器のどれも、ドアロック以上のセキュリティを必要とはしません。
でも、私たちの一番新しい作業グループは健康・ウェルネスです。このグループは確実にMatter デバイスを作成します。家に新しい健康ウェルネス・デバイスが登場したら、 それはMatter プロトコルを使用することになります。しかし、Matter に基づいて本格的に在宅医療をサポートするためには、Matter が解決していない他の多くの問題も解決する必要があります。米国では、少なくともデータのHIPAAコンプライアンス問題があります。ビデオチャットで主治医と話していて、医師からこう言われたとします。「指にはめるものを郵送しましたので、指につけてください。それが私にデータを送ってくるはずだから」と。その場合、私に代わってデータを収集するのは医師ですから、そのデータはHIPAAによって保護される必要があります。
病院側が取り扱っている私の個人医療データ。Fitbit やその他のヘルストラッカーなど、自分自身で何かを装着して収集するのは、私のデータです。自分で収集したものです。私はそのデータでやりたいことを何でもすることができます。HIPPAではありません。しかし、医師が私と対話することで、長期的に健康やウェルネスを目指すのであれば、他の多くの問題を解決する必要があります。基本的にプライバシーは HIPAA レベルまでであり、他の国ではHIPAAコンプライアンスのレベルが異なります。これは米国中心ではなく、私たちが構築したいと思っている世界規格です。それはロードマップの最終ポイントにあります。そして、ロードマップの直近ポイントには、今日、Matterが解決できるものとして、私たちは高齢化社会の「エイジング・イン・プレイス」に真剣に焦点を当てています。
"家電製品に関してですが、たとえば高齢の母親がいるとしましょう。一人暮らしで、日中、母親が心配なら追跡することもできますし、追跡しないこともできます。彼女の家が、ただ追跡して「はい、彼女は時間通りに起きました」と言ってくれます。子どもに連絡する必要はありません。母親は昨日と同じように歩き回っています。冷蔵庫を開け、コーヒーを作りました、すべて問題なしです。でも、少し動作が遅くなり始めたり、転倒したり、いつもより1時間たっても起きてこなかったりしたら、すぐに「何か変です。メールして様子を確認してください」という小さな通知を送ることができます。あるいは、心配の度合いに応じて、自由に対応できます。人感センサ、ドアロック、家電製品など、私たちがすでに持っているすべてのデバイスが、エイジング・イン・プレイスのさまざまな情報を提供してくれるのです。それから、何人かの人が私に言い続けていることですが、誰かが倒れたとき、起き上がることができなくても、スマートドアロックがあれば、救急車がドアの反対側にいても、ドアを壊すことなくドアロックを解除できます。ドアロックはすでにあるものです。そのため、ケアレベルが向上し、早期退院や、血糖モニタリング、持続的ケアが実現しています。"
Raymond Yin:
「エイジング・イン・プレース」ですか、素晴らしいですね。私も母のことで経験しています。母は一人暮らしです。幸いにも兄が近くにいるのですが、目立たないように母を追跡できる技術を導入してます。母の家には誰も入れたくありませんが、もちろん、この年齢では、時々少し心配になります。
Chris LaPré:
そして、お母様にもプライバシーがあるべきですよね?家のあちこちにカメラがあって、何かあったらカメラを付けてスパイするようなことは望まないでしょう。これはそれよりもずっと重要なことです。何かあったら知らせてくれればいいのです。そして現在では、機械学習アルゴリズムが発達し、意味のある不一致とそうでない不一致を見分けることができるようになったのです。
Raymond Yin:
それは素晴らしいです。これらすべてのデバイスにアクセスできる点が良いですね。すでにMatterエコシステムの一部です。ですから、誰に対しても、なにか違うことを要求しているわけではありませんね。単純に、サービスであったり、Matter コンプライアンスの一環として提供できるようなものです。
Chris LaPré:
ええ、新しいデバイスタイプ、またはデバイスタイプがサポートできる新しい機能です。私たちは、エイジング・イン・プレイスにとても期待しているんです。そして、先ほど申し上げたように、エネルギー管理と医療にです。これらは、政府が直面し始めている2つの問題です。もちろん、世界各地、さまざまな国、さまざまなキャパシティでエネルギー危機、そして医療危機もあります。Allianceにとっては、これらについて考える良い機会であり、うまくいけばMatter のユビキタス性を利用して、これらの問題の解決に貢献することができるでしょう。
Raymond Yin:
そのとおりですね。そして、私が知る限り、ほとんどすべての主要なテクノロジー企業が、この分野であなたがたを支持しています。
Chris LaPré:
私はそれを導入の約束と呼んでいます。そのおかげで、今のような発言力を持つことができたのは確かです。そして、世界が直面している特に大きな2つの問題に移ります。この2つがあるからこそ、Matter を世に送り出し、きちんと受け入れてもらい、適切にリリースすることが重要なのです。 そして、そのような大きな問題に対して、全力を尽くし、本格的に取り組むことができるようになるのです。
Raymond Yin:
それでは、未来に目を向けてみましょう。次の質問は、Matter準拠設計に適した接続製品を提供する、協賛パートナーのテキサス・インスツルメンツ社からのものです。同社の製品について詳しくは、mouser.com/Texas-Instrumentsをご欄ください。
ここまで、健康とウェルネスについて多く話してきましたが、改めて、これは本当に素晴らしいことだと思います。また、エネルギー管理についても触れました。そのほかに、どのような分野で、Matter が真の変化をもたらすとお考えですか?
Chris LaPré:
私がとても楽しみにしている分野の1つは、テレビとスピーカーです。基本的には家庭用オーディオコンテンツ、ビデオコンテンツです。現在、デバイスタイプとしてテレビをサポートしています。音量を上げたり、音量を下げたり、基本的なリモコン操作はもちろん、コンテンツを配置したりできます。特にドアベル、カメラ、白物家電からの相互作用により、テレビに映し出され、あらかじめ用意された「洗濯が終わりましたよ」というメッセージを流すことができるようになります。
Raymond Yin:
サウンドですか、それとも通知音声ですか?
Chris LaPré:
ビデオ通知もそうですね。でも、これは他のさまざまな所で使えると想像できます。ある人に聞かれた例ですが、これは他の人のアイデアで、私のアイデアではありませんが、とても面白いので採用しました。ホテルに入ると、Matter のバーコードがあり、それを例えば Netflix アプリでスキャンします。Netflix はメンバーではありませんが、携帯電話で利用しているコンテンツプロバイダーです。すると、そのコンテンツがテレビで流れ出すのです。そのインタラクションでログインしたことになるのですが、その後は自動的にログアウトされます。私がアプリで、ホテルの部屋のテレビ画面から絶対にログインしない大きな理由のひとつは、自分がログアウトするのを忘れてしまうことを知っているからです。その後、他人に私のアカウントでどんな買い物をされてしまうかわかりません。スピーカーが家の中でコンテンツを再生するだけでなく、人が家の中を移動する際に、どのスピーカーで音声を再生するかを選択します。それはすべて、Matterで できることです。これらのスピーカーはすべて、音声コントロールというスピーカーのスマートな側面ではなく、再生するもののコンテンツの面で Matter をサポートし始めます。これは Matter にとって本当に豊かな分野だと思います。繰り返しになりますが、これはスマートホームとは何かについての拡張です。現在は、ドアロックやサーモスタットなどのコマンド&コントロールデバイスが一般的です。そういうコンテンツや照明も、そのコンテンツに当てはまると思います。30年前にビル・ゲイツが設計した旧宅のように、移動するとホームコンテンツが追いかけてくるのです。
Raymond Yin:
それ覚えています。
Chris LaPré:
そういうものが、今、どんどん可能になっていて、ユビキタスなスタンダードになっていると思います。Matter のようなものがあれば、そのようなことが本当に当たり前になるかもしれません。
Raymond Yin:
それは興味深いですね。というのも、コンテンツの観点から、自宅を持ち運べるというお話のようです。ホテルに行くのであれば、自宅で見ているコンテンツやシステムに接続されているものを持ち出すことになります。どこにいてもそのコンテンツに完全にアクセスできるわけですね。
Chris LaPré:
もう1つ思い出しました。もちろん、車もそうです。私が車に乗り込むと、音楽が車の中までついてくるはずです。サーモスタットの設定も、車までついてくることができます。そういうのも含めて、私がもう家の中にはいないことを示すこともできます。つまり、エネルギー管理の面で先ほどお話したような占有情報です。
Raymond Yin:
いやあ、面白いですね。ひとたびつながれば、あらゆることが突然可能になるんですね。
Chris LaPré:
その通りです、ロバート・メトカーフが作ったMetCastの法則です。ネットワークの価値は、デバイスの数、場所の数の 2 乗になります。Matterは、家庭内のすべてのデバイスを制御する単一のエコシステムをもち、あるいは少なくとも、単一のネットワークに接続されるデバイスの数を増やすことで、その可能性を引き出すことができると思います。
Raymond Yin:
今回のThe Tech Between Usを最後までご視聴いただき、ありがとうございました。このポッドキャストは、Matterについて取り上げたマウザーの特集コンテンツの一部です。さらにEmpowering Innovation Together全シリーズの動画、技術記事などのコンテンツをご覧になるには、mouser.com/empowering-innovationにアクセスしてください。
コマーシャル:
テキサス・インスツルメンツは、Matterコネクティビティの最初の実用化デモを提供し、Matter設計・開発に最適な製品の提供で最前線に立つ企業です。詳細については、mouser.com/texas-instruments をご覧ください。